第2回:人の話を聞かない僕が、唯一信じた『経営の教科書』3選

1. 独学の僕を支えた「静かな師匠」たち

第1回のブログで、「僕は人の話を聞かないタイプだ」と書きました(笑)。

誤解を恐れずに言えば、誰かの「経験談だけのアドバイス」に納得できなかったんです。でも、何の手がかりもなく暗闇を走るほど無謀でもありませんでした。そんな僕が頼ったのが、先人たちの知恵が詰まった「本」という存在。

きっかけは本当になんてことはない、ただの勘だったのですが、今では読書は人生の一部です!

起業を意識し始めてから3年間で1,000冊以上の本を読み漁りました。その中で、何度も読み返し、僕の血肉となった「3冊の師匠」を紹介します。今のWAKUWAKUの社風は、間違いなくこの3冊からできています。

2. 人生の映写機をどう回すか:稲盛和夫『生き方』

1,000冊読んだ中で、僕の経営の根幹にあるのがこの一冊です。

「人生で起こってくるあらゆる出来事は自らの心が引き寄せたものです。心が描いたものを忠実に再現しています。」

この一節に出会った時、全身に衝撃が走りました。「上司が悪い」「業界が悪い」「会社が悪い」……。かつての僕は、外の世界に不満の理由を探していました。でも、現実は違った。すべては自分の心が描いたものが、スクリーンに映し出されている結果に過ぎなかったんです。

不思議なことに、この言葉を意識し始めてから映画をよく観るようになりました。映画の主人公が困難を乗り越えるように、僕はこの人生という物語をどう描きたいのか? リーダーとして、スタッフにどんな明るいスクリーンを見せられるのか? 経営とは手法ではなく、究極の「哲学」である。そう教えてくれた一冊です。

3. お金の奴隷にならないために:ジョージ・S・クレイソン『バビロンの大富豪』

「物心ともに幸せに」という弊社の理念。その「物(お金)」の部分に対する思考を決定づけてくれたのがこの本です。

  • 収入の10%は必ず貯蓄に回し、種銭にする
  • 自分の欲をコントロールし、素直に自律する
  • 自分自身を最大の資本(稼げる自分)にする

この教えは、経営も個人の人生も全く同じです。 実は、この教えを僕だけで止めるのはもったいないと思い、弊社では社員向けの「お金の勉強会」を定期的に実施しています。

ただ目の前の仕事をして給料をもらうだけではなく、正しい知識を持って自分自身を「豊かな資本」にしてほしい。スタッフ一人ひとりがお金の奴隷にならず、自立した人生を送ってほしい。そんな僕の「おせっかいな願い」の原点です。

4. 「儲け」と「利益」は別物:林 總『ドラッカーと会計の話をしよう』

ドラッカーと聞くと難しそうですが、この本は僕に「数字の真実」を教えてくれました。 僕の中で一番のパラダイムシフト(価値観の転換)は、「儲けと利益の違い」を理解したことです。

よく「利益を出せ」と言われますが、現場で本当に大事なのは「儲け(現金)」です。利益は会計上の概念でしかなく、会社を守り、攻めるために必要なのは、最後に残る現金。

「全ては現金あってこそ」「誠実な経営とは、潰さない経営」 この考えに触れた時、リーダーから「経営者」としての覚悟が決まりました。稲盛さんの「実学」にも通じる、数字に誠実で強い経営者であるための僕のバイブルです。

5. 結び:知識は「行動」して初めて資産になる

本を読んで満足するだけなら、誰にでもできます。大切なのは、その教えを現場というリアルな場所でどう形にするかです。

  • スタッフが自発的に、主人公として動ける環境(『生き方』)
  • 個人の人生の土台を守るための知恵の共有(『バビロン』)
  • 「ありがとう」を継続するための健全な数字(『ドラッカー』)

もしあなたが今、将来にぼんやりとした不安を感じているなら、誰かのアドバイスを鵜呑みにする前に、一冊の本とじっくり向き合ってみてください。

僕をどん底から救い、前を向かせてくれたこの3冊が、あなたの次の一歩を照らす小さな「ワクワク」のヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。

執筆者:wakuwaku.s.g