「社長、誠実な経営って、具体的にどういうことですか?」
もしそう聞かれたら、今の僕は迷わずこう答えます。 「会社を絶対に潰さないこと。そして、社員と家族を守り抜くことだ」
どれだけ綺麗で優しい理念を掲げていても、会社が潰れてしまえば、社員の生活も、お客様への「ありがとう」も、すべて一瞬で守れなくなります。
今回は、いつもの日常エッセイとは少し毛色を変えて、僕が3年間で1,000冊以上の本を泥臭く読み漁り、現場で転び、立ち上がりながら確立してきた「骨太な経営論」を余すことなくお伝えします。
名著『強い会社の社長の教科書』(小山昇著)のエッセンスをベースに、僕自身が血肉化してきた「WSHUG(ワクワクシェイクハンドグループ)の羅針盤」です。少々長くなりますが、僕の経営哲学のすべてをここに置いておきます。(実は、この経営哲学を言葉にしてまとめるまでに、丸一ヶ月かかりました!笑)
1. 経営の土台:数と仕組み、そして「立ち上がるスピード」
経営は「想い」だけでは成り立ちません。数字から絶対に逃げない。それが大前提です。
- 数を増やす(クライアント、社員、売上) 数字は前提であり、綺麗ごとで終わらせないための最大の経営責任。数が増えるからこそ、守れる仲間の数も増える。
- 仕組みを作る(「凡」を「非凡」にする仕組み) 誰でも「当たり前を、当たり前に」徹底できる環境と仕組みを用意してこそ、組織の土台が強固になります。
- 観察 ➔ 仮説 ➔ 検証(転んだら、すぐに立ち上がる) 「とりあえずやってみる」。そして小さな失敗を泥臭く繰り返しながら改善していく。転んだらすぐ立ち、立ったらすぐ歩き出せばいい。
2. 決定と計画:想いを「数字と文字」にする責任
- 経営計画は「文字と数字」で書いてこそ どんなに熱い想いや言葉も、すべて文字と数字の計画書に落とし込みます。また、計画は年度ごとに世界と現場の状況を見て作り直すのが「普通」です。
- 「早く決定する」スピード感 不確実な時代、100点満点の決断を待つより、「とりあえず決定して、走りながら修正する」のが最善です。
- 「目先の利益」ではなく「5年で2倍」の長期視点 長期的利益を見据え、目先の小さな誘惑(利益)に流されない。
- 「やらないこと」を決めてから、「やること」を決める 経営者の時間は有限です。まずは捨てるものを決める。
- 「コストを回収できること」が、本当にいいこと 投資したお金を誠実に回収し、次のワクワクの芽へ循環させる。
3. 人と教育:中小企業は「人で決まる」
サービス業において、最大の投資先は「人」です。愛を持って人に投資してこそ、会社は初めて成長します。
- 小さな失敗を、たくさん体感してもらう 言葉での指導よりも、実際に転んで、体感して学んだことこそが一生の財産になります。失敗できる環境を作るのが社長の仕事。
- 社長と社員のギャップは、コミュニケーションで埋める 見ている景色が違うのだから、ギャップがあって当然。だからこそ、日々の言葉の認識と意識を一致させる対話を惜しまない。
- 環境が人を作る(勉強会、挨拶、掃除) やる気を引き出すのではなく、自然と体が動く「環境」を整える。
- 属人化させず、標準化する 「その人がいなければ回らない」仕事を作らない。
- 能力以上のことはさせない、個性を知る 適材適所。一人ひとりの得意・不得意を徹底的に理解する。
- 変わりたい子は変える、変えたくない子は変えない 「やるか、やめるか」の2つの権利を公正に渡した上で、本人の意志を尊重する。
- チャンスは平等、結果で区別 スタートラインは全員に等しく。しかし、出た成果(ファクト)に対しては、誠実かつ明確に区別して報いる。
4. 商品とサービス:「現場、現物、現実」の三現主義
- 「現場」に顔を出し、「現物」に触れ、「現実」に会う 経営者がオフィスに引きこもっていては、リアルな風は掴めません。常に最前線に僕自身の足を運びます。
- 売れる商品こそが、いい商品 お客様に求められ、対価をいただけるものこそが正義。
- 価格は「平均値」ではなく「中央値」「最頻値(Mode)」で把握する 市場のリアルな熱量と動きを統計的につかむ。
- 市場 of 独占ルール 他社と競い合うなら、2位から「約1.7倍」の差をつけて徹底的に圧倒する。
- クレーム対応の絶対原則 「事実の解決」を急ぐ前に、まずお客様の「心の解消(感情の受容)」を全力で行うこと。
- 新規参入の基本ルール 既存事業が絶好調の時に、自社の優秀な社員を立てて新市場を開拓する。撤退基準は「3年」。(1年目は売上、2年目は利益、3年目で損益分岐を超えていなければ即撤退する)。
5. 組織運営:「ES(社員満足)なくして、CS(顧客満足)なし」
- 最初はトップダウン、成長したらボトムアップ 創業期は強いリーダーシップで引っ張り、組織が強くなればみんなの主体性を育てる。
- ESなくして、CSなし。CSなしに未来なし 働く社員が幸せでなければ、お客様を笑顔にすることなど不可能です。
- 小さな賞賛と、毎日の感謝の文化 日常の些細なファインプレーに、惜しみない拍手と「ありがとう」を。
- 業績は「社員とのコミュニケーション量」で決まる 社長と社員がどれだけ「本音」で話したか。その絶対量が業績に直結します。
- 現場の報告は「下」から上げる 真実の現場は常に最前線にあります。下からのリアルな声が、一番クリアな現状を教えてくれる。
- 変化と安定の「2:1 of 法則」 チームを編成するときは、「変化(攻め)」2に対し、「安定(守り)」1の比率で組み合わせることで、崩れないスピード組織を作る。
- テクノロジーとAIの融合 誰がやっても同じ結果になる仕事(経理など)は徹底的に自動化し、僕たち新しい時代の変化に適応して進化し続ける。
6. 給与と人事:利益の元は「感謝」あってこそ
給与制度は、不満や疑念を生まないよう「完全にガラス張り」にします。
- 基本給:年功序列 これまで長く会社に貢献し、土台を支え続けてくれた「歴史」に対して支払う。
- 手当:役割・役職給 その時の責任とミッションに応じて、スピード感を持って都度決定する。
- 賞与:完全成果配分 直近1年の明確な成果、事実に対してフェアに配分する。
7. 財務とお金:現金こそが最強の武器
- 目標利益から逆算して、売上を立てる 「売上がこれだけ上がったから、これだけ利益が残る」ではない。「この利益を残したいから、この売上を作る」という逆転の発想。
- 「率」ではなく、残った「額」で見る。
- すべては「現金」あってこそ(キャッシュ・イズ・キング) 帳簿上の黒字より、手元のキャッシュ。BS(貸借対照表)の資産は、可能な限りいつでも現金化しやすい形にしておく。
- 借金は「借りられる時に、借りられるだけする」 「無借金が偉い」のではない。リスクを負って勝負に出られない社長に、仲間と未来は守れない。
- リスク分散の「5社の法則」 クライアントも、お付き合いする銀行も、最低5社とは取引を持ち、依存しない関係を作る。
- 年商5億未満なら「節税」より「業績」 目先の税金を減らすためにキャッシュを減らすな。税金を払ってでも内部留保(現金)を会社に残すことが最強の防衛策。
社長こそ、すべてを引き受け、みんなへ還元する。
最後に、僕が考える「社長の定義」を記して、この記事を締めくくります。
社長とは、みんなの話を丁寧に聞き、深く理解し、最後にすべての責任を一人で負って「決定」する存在。 すべてのリスクを自分が背負い、上がった成果や利益は全力でみんなへ還元する。 そして、その還元が巡り巡って、一番最後に自分へと戻ってくる。
それが、僕が命をかけて向き合う「経営」という名の「志事(しごと)」です。
誠実な経営とは、綺麗な言葉を並べることではない。 「絶対に会社を潰さず、みんなを守り続けること」
この羅針盤を胸に、5期目を迎えたWSHUGは、これからも圧倒的なスピードで、誠実に「ゆっくり大きく」成長していきます。
僕たちの挑戦にワクワクしてくれた方、この哲学に共鳴してくれる仲間からのご連絡を、いつでもお待ちしています!

